「DALI」を基軸としたLED開発や
知的生産性向上に寄与する「あかりラボ」

さらなる性能向上が求められているLED の革新的な研究開発を目指して、コイズミ照明(株)が開設したのが、研究開発拠点「R&Dセンター」です。社員自らが働き方を考え実現したオフィスには、最新の制御システム「DALI」を導入。省CO2や快適で生産性の高いオフィスのあり方などを検証し、お客様へのより良い提案に活かしていきます。

「DALI」を基軸としたLED開発や知的生産性向上に寄与する「あかりラボ」

LEDに特化した最新の試験設備を導入し、
次の「あかり文化」を創造する研究開発拠点に

コイズミ照明は従来から、空間を快適にする「あかり」としてLEDの光品質を追求し、デザイン性や調光・調色性に優れた付加価値の高い商品を開発してきました。しかしながら、LEDの基本性能が向上するとともに、さらに高効率かつ高付加価値なLEDが求められているのが現状です。こうした状況を踏まえ、照明専業メーカーとしてLEDを革新的に研究開発していく「あかりの文化創造拠点」として開設したのが、2017年3月に竣工した「R&Dセンター」です。

地上6階の建物は1、2階を試験室フロアとし、LEDに特化した最新鋭の試験設備を設置。これにより、高い精度の評価・検証がすべて社内でできる体制が整いました。分析・評価機器、信頼性試験装置に加え、一般社団法人日本照明工業会の指定試験所として必要な分光配光測定システムの配備を終え、近い将来には、工業標準化法(JIS法)に基づく試験事業者登録制度であるJNLAによる認定取得をめざしています。

建物の4~6階部分はオフィスフロアで、これまで分散していた商品企画や開発設計、品質保証、営業、お客様相談室などの各部門を本センターに集約。開発部門のエリアには照明器具を取り付けてすぐに体感できるスペースを併設しました。これらにより、お客様や市場の声をもとに企画した新商品の設計、デザイン、試作、評価・検証が、格段にスピードアップすることになります。

「DALI」信号方式による空調・照明連動制御システム

省CO2制御 人感センサーと空調連動により、人の在、不在に合わせ細やかな制御を行うことができます。 省CO2制御
快適性の向上 「DALI」センサーと照明・換気・空調の連動により、省エネと快適性の両立を図ります。 快適性の向上
無線化による省施工 無線センサー・スイッチの導入により、配線や取り付けの手間を省きます。急なレイアウト変更などにも容易に対応できます。 無線化による省施工

最新の試験設備を導入

試験室 試験室
天井昇降装置 天井昇降装置

照明・空調・ブラインドを一括制御するシステム「DALI」を導入し、
オフィス空間の省エネ性と快適性の向上を検証

LEDの進化において欠かせないのが、器具の性能向上だけではなく、制御システムとの連動です。空間の用途や目的に応じて、照明に加えて、空調やブラインドなども同時に制御することで、さらなる省エネ性や快適性の向上が可能になるためです。特に消費電力の40%を照明が占めるオフィスビルでは、制御システムとの連動が省エネ性の向上に大きく寄与します。コイズミ照明ではこの制御システムに、世界で主流となっている国際規格の「DALI」を採用。2015年度から「DALI」に対応したLEDの開発・販売を開始し、500を超えるアイテムを販売しています。

「DALI」の特長は、「DALI」対応の器具であればメーカーを選ばないことに加えて、個別に器具の調光・調色の制御もできることです。さらに、ビルのエネルギー管理システム(BEMS)と連動させることで、空調や換気などの一括制御が可能になります。双方向通信によって、電気使用量の監視や器具の不具合のチェックなども一カ所で行うことができるため、施設管理コストの削減にも貢献します。

「R&Dセンター」のオフィスフロアでは、この「DALI」を設備制御の基軸に据え、照明と空調、ブラインドを一括制御。電力使用量のデータや、社員の生の声から「DALI」の使い方を検証する「実証・体験型オフィス」として、お客様にも見学していただける「生きた技術ショールーム」の機能も兼ねています。

照明と自然光をさまざまに組み合わせた空間をつくり、
社員自らが視環境の快適性を検証

「DALI」の導入にあたっては、各業務の特性に応じて調整した視環境を実現できるよう、「DALI」対応の照明器具をフロアごとに新たに開発しました。例えば、PC作業や事務作業がしやすいフラットな光を創出するベースライトや、まぶしさを抑え、什器のレイアウト変更にも対応しやすいダウンライトなどです。いずれも落ちついた電球色から爽やかな昼白色までの間で、色温度を思いのままに制御できます。

色温度については、朝の出勤時には電球色と昼白色の中間色、朝礼後は昼白色に、休憩時間や退社時間には電球色に緩やかに変化するよう設定しています。また、窓から入る自然光の変化を取り込んだ上で、照明環境を総合的に維持。これらの試みが生体リズムの整調やストレス軽減にどのような効果を発揮するのかを探っています。まだ運用開始直後ですが、社員からは「夕方、電球色になると帰りたくなってしまう」「自然光と連動した明るさの変化が心地いい」などさまざまな声が寄せられています。これらの声のフィードバックを繰り返すことで、センターの目的のひとつである「知的生産性の向上」がどのように実現されるのかを検証。その結果を、より明確な根拠としてお客様への提案に活かしていきたいと考えています。

今後も「DALI」をセキュリティと連動させ、最終退出者の退出と同時にオフィス内の電源を切り、消し忘れを防ぐなど、さまざまな「DALI」の可能性を追求していきます。

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若手社員が中心となって理想の働き方を検討し、
知的生産性を高めるオープンなオフィス空間を実現

働き方を軸にしたオフィスの空間設計について、設計段階から「ワークスタイル分科会」を立ち上げました。どんな働き方をしたいか、どんなオフィスにしたいか、社員同士で意見を交換。若手を中心にした社員の声は、設計・施工を担う株式会社竹中工務店様にフィードバックし、自分たちの納得できるオフィスをつくりあげていきました。

例えば、開発部門からは「できあがった照明器具をすぐに体感して、次の開発に活かせるような場所がほしい」という声があがり、クリエイティブルームとして実現。器具を取り付けて試せるだけでなく、ユニークなデザインの家具を配置し、思考の集中や発想の転換を促す場となっています。

「コミュニケーションを活性化させたい」という声からは、席を固定せず自由に選べるフリーアドレスなど、オープンでフレキシブルな環境が実現しています。建物中央部の開放的な吹き抜けは階段でつながれており、社員間のコミュニケーションや情報共有を促進。R&Dセンターの照明計画に携わった社員からは「今までと違って、頻繁に営業のフロアに行って打ち合わせができるため、仕事のスピードアップが図れています。また、自然光を感じられるのは気持ちがよく、集中したいときは自席を離れてこもれるスペースがあるのはいいですね」との声も。社員がこのオフィスで体感したことを、データも含めて検証し、これからのオフィスのあり方に新たな提言をしてきたいと考えています。

R&Dセンター建設プロジェクト体制 R&Dセンター建設プロジェクト体制
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