地獄温泉 清風荘

地獄温泉 清風荘

夜間のエントランス棟。「arkia」で梁横や壁面から照射し、落ち着いた雰囲気を演出している

宿泊施設地獄温泉 清風荘

  • 所在地
    熊本県阿蘇郡南阿蘇村
  • 事業主
    地獄温泉 清風荘 様
  • 設計
    株式会社村田建築設計所 様

旅館の「顔」の存在感を演出

阿蘇五岳の一つ、烏帽子岳に湧く地獄温泉。その温泉街にある旅館「地獄温泉 清風荘」は、2016年の熊本地震と大雨による土砂災害で大きな被害があり、現在も再生の途上です。2020年4月、ロビー、エントランス、駐車場の3エリアを内包した新築のエントランス棟が竣工。当社はその照明計画を担当しました。
きっかけは2019年の夏でした。熊本営業所の出口は、得意先でエントランス棟の照明器具を記した図面を偶然確認。「記されていたのは他社の照明器具でした。しかし、村田建築設計所様に連絡するとまだ正式には決まっておらず、できれば照明設計のプロと協力して計画を進められる会社と仕事をしたいとのことでした。私は照明設計のプロフェッショナルチームであるLCR福岡の松井と村田建築設計所様を訪問。過去の実績などをお見せしたところ高い評価をいただき、当社に提案依頼をいただくことができました。お客様の課題に積極的にアプローチしたことが成果を生みました」(出口)
照明計画で重視したのは、器具の数や明るさだけに頼らず、震災後の新たな「顔」となるエントランス棟の存在感を演出することでした。建物はコンクリート躯体と木の切妻屋根で構成され、梁や母屋、垂木が直接見えるため天井に照明器具を付けることはできません。そこで梁横や壁面からスポットライトで照射するプランとともに、余分なものを削ぎ落とし、あらゆる建築意匠に溶け込める照明器具「arkia」を提案し、課題を解決しました。「器具選定はカタログだけではディテールが伝わりにくいですが、村田建築設計所様に直接連絡を取って照明シミュレーションソフトや福岡ショールームでの検証を提案したことで、施主様の要望を具現化することができました。照明設計の担当者が積極的に外部の方と折衝する、コイズミらしいフットワークの良さが活きたと思います」(松井)

イメージ 地獄温泉 清風荘の外観。地震などで大きな被害があったものの、100年先も続く温泉宿を目指して再生中
イメージ あたたかい雰囲気を与える夜間の外観。照明の明るさだけに頼らず、自然と調和する温泉宿の雰囲気を重視した
イメージ 昼間のエントランス棟。外光が適度に射し込むため、照明は外光を補完する明るさに抑えている

お客様の思いに応え、地域に貢献する

施工では、出口が電気工事店様、代理店様との綿密なコミュニケーションを徹底。「現場では計画通りに進まないことがしばしばあります。そこをコミュニケーションでリカバリーし、現場をスムーズに進行するのが私の役目。皆さんが気持ちよく仕事を進められるよう心掛けました」(出口)
当社の対応は施主様や村田建築設計所様からも高い評価をいただき、現在は別棟の照明計画にも取り組んでいます。
「熊本地震は地元に大きな爪痕を残しました。施主様は、震災前の『清風荘』の雰囲気を残しつつ再生させたいという強い思いを持っておられます。より良い照明環境のご提供を通して、その思いに応えていきたいです」(出口・松井)
100年先も続く旅館としての再生を目指す「地獄温泉 清風荘」。その事業に関わっていくことは、当社にとって重要な地域貢献になると考えています。

松井 和也
[照明設計]
コイズミ照明株式会社
西日本営業本部
九州営業部
LCR福岡
松井 和也
出口 尚之
[営業]
コイズミ照明株式会社
西日本営業本部
九州営業部
熊本営業所
出口 尚之