2023年、大きく生まれ変わった「ジェイアール名古屋タカシマヤ 7階 紳士靴売場」。数年をかけて行われるフロアの改装プロジェクトの中で、最も大きな改装です。その中でも今回の靴売場は、先行オープンも行われた注目度の高いエリアです。
「今回の改装は、ジェイアール名古屋タカシマヤ様において当社が携わった4つ目の改装です。これまで、9階のリビング、10階のゴルフウェア、そして11階のランドセルと、それぞれの売り場の照明設計をお任せいただいていました。自信を持っておすすめできる新商品を、活用方法と併せていち早くご案内し続けてきたこと、そしてお客様の目指す空間の目的に対して、桂が照明設計の力で応えてきた実績が積み重なり、今回のエリアをお任せいただけることになりました」(保井)
7階フロアの全面リニューアルでは、「多様性があり変化を積極的に受け入れるZ世代」をターゲットとして、従来の売り場にとらわれない「最新と最旬を発見できる環境」が目指されていました。
「ご依頼いただいた靴売場の内装デザインは、従来のメンズフロアのようなシャープさ・重厚感を脱した、軽やかで柔らかな印象でした。一番の魅せ場となるのは、天井に広がる波型のルーバーです。この象徴的なデザインを魅せつつ、商品をしっかりと引き立てたい。これが私たちの課題でした」(保井)
「照明計画としては、ルーバー自体には直接光を当てず、リバウンド光によって浮かび上がらせる演出が最も適していると考えました。しかし、それをかなえつつ商品をしっかりと引き立てるにはどのような手法が適しているか、大いに悩みました。雲のようにランダムな柔らかさを持つ天井は、4種類の波型ルーバーが順に展開されることで構成されています。これらに対して断面から検証を行い、什器へ光を照射する際にルーバーに蹴られることなく、かつルーバーの高さ内に納まるような最適な器具を検討したところ、発売間もない「X-Proフィクスドダウンライト」にたどり着きました。ルーバー天井のエリアは、この器具のみを用いて極力シンプルに見せつつ、配光角の使い分けで商品の魅せ場を計画しています。そうすることで、空間と器具を一体化させ、この売り場のニュートラルな世界観を照明でも表現することを目指しました」(桂)
今回の照明計画は、お客様からも高い評価をいただきました。
「照明計画にあたり、クライアントの馬場様に各フロアをご案内いただいた際は、全館を通した空間の考え方や馬場様の情熱をお話しいただき、感銘を受けました。想いの詰まったこのデザインと空間づくりに必ず応えたいと、いっそう身が引き締まりました」(桂)
「馬場様からは、『お店の重要な入り口となり、集客に直結するのは照明の力だと思います。すてきな計画をありがとうございます』とのうれしいお言葉を頂戴しました」(保井)
今回の案件を通して、コイズミの商品力があるからこそ、それを活かした提案・設計が可能となり、お客様から喜びの声を頂くことができるのだと強く感じています。お客様とチームとなってプロジェクトに携わり、共に理想の空間を実現できることは、私たちにとって何ものにも代え難い喜びです。
今回の「7階 紳士靴売場」は、ジェイアール名古屋タカシマヤにとってターニングポイントの一つともいえる重要な改装でした。コイズミ照明の器具は、機能はもちろんプロダクトとしてのディテールにもこだわりを感じています。今回の器具も、内装デザインとの相性が非常に良く、意匠面でもベストな提案をいただきました。他の器具との照度バランスも良く、満足しています。素晴らしい照明計画をありがとうございました。