“三方よし”の精神でお客様のニーズに応える。コイズミ物流ではときに競合他社であることもいとわず、業界全体の課題解決に貢献する取り組みを行っています。九州地区では、拠点間輸送を複数社共同で一台のトラックにまとめることで、コスト削減と安定的な路線開拓に成功しました。
九州地区は、人手不足が深刻なエリアのひとつです。象印マホービン様のご依頼をキッカケに、この困難地域の共同配送ネットワークを構築・強化することをめざし、工藤(九州営業所長)は2017年4月に異動してきました。家電の配送は8月が繁忙期です。そこまでにネットワーク構築ができていなければ、その年の仕事はありません。そこで、共同配送ネットワークの運用開始を7月と設定。はじめの1ヵ月間は慣らし期間と考えると、リミットは6月末です。この3ヵ月間でなんとか形にすることが私の目標でした。結果として、8月を迎える頃にはそれまでの共同配送エリアを大きく拡大し、九州の3分の1は共同配送でまかなえるネットワークが実現しました。
最初に行ったのは、当時お付き合いのある配送業者様、お取引先様、当社社内に一件ずつ根気よく訪問し、丁寧にヒアリングすることでした。例えば「あそこは以前廃業した」と聞いても、必ず足を運んで確認。多くは「キャパシティオーバーだ」と断られたりするなど空振りに終わりましたが、「廃業していたけれど、業務を再開した」という情報を得ることもありました。また、同業他社にも足を運び、どのような配送をしているのかなどのヒアリングを重ねると、やはり、当社と同じ悩みを抱えていることがわかりました。そこで、「お互いに協力し合いましょう」と提案。「拠点まで持ってきてくれたら配送できる」と言われていた業者様への拠点間輸送を、複数社共同で一台のトラックにまとめ、コスト削減と安定的な路線開拓に繋げました。「競合先だから」なんて言っていられません。みんな困っているのであれば、助け合おう。それが私の考えたことでした。
入社10年目。大阪での倉庫作業、埼玉での営業を経て九州へ。2017年から社内最年少所長となる。「違う発想」のために心がけているのは「人の話を鵜呑みにしない」こと。必ず現場に足を運び、自分の目で確かめるようにしている。
九州エリアの開拓は困難を極めました。けれども、2015年にさらに困難を極めた長野エリアでのネットワーク構築を実現していたので、「なんとかやれるはずだ」と思っていました。当社社長はいつも「ピンチはチャンス」と言いますが、まさにその通りで、どうすれば関わる人すべてが満足する仕事になるかを常に考えて行動していきます。