世界中のお客様でにぎわう未来を夢見て デザイナーのニーズに的確にこたえ
世界旗艦店の空間づくりに貢献

デザイナーのニーズに的確にこたえ世界旗艦店の空間づくりに貢献

無印良品 銀座。2019年4月のオープン以来、世界各国からのお客様でにぎわう

複合商業施設無印良品 銀座

  • 所在地
    東京都中央区
  • 事業主
    株式会社良品計画 様
  • デザイン
    株式会社スーパーポテト 様
  • コイズミ照明
    担当者
    山本 純平(照明設計)、
    千葉 伸介(営業開発)、
    半井 直樹(営業)

世界が注目する店舗の空間づくりをお手伝いしたい
プロジェクトメンバーの思いがひとつに

東京・銀座の並木通りにある「無印良品 銀座」は、世界中に無印良品が考える「感じ良いくらし」を発信する、国内唯一の「世界旗艦店」として、2019年4月にオープンしました。その計画を聞いたときに「世界が注目する店舗になるに違いない。その空間づくりのお手伝いを、ぜひやってみたい」(照明設計担当山本)という強い思いと夢を持って、コイズミ照明は、2017年からプロジェクトへのアプローチを開始しました。
プロジェクトに携わった、コイズミ照明の山本 純平(照明設計)、千葉 伸介(営業開発)、半井 直樹(営業)の活動を取材しました。

継続こそ力
お客様との長年のコミュニケーションが
プロジェクト参画のきっかけに

実はプロジェクトがスタートした時、照明計画の担当は、他メーカーで検討が進められていました。この厳しい状況を、何とか打開できないかとメンバーで知恵を絞り「改めてデザイナーの方へこれまでの取り組みやこのプロジェクトに対する思いを伝え、照明計画の提案ができるよう取り組みました」(山本)。
「以前からお客様には継続して提案や情報提供などを行い、当社の照明設計のノウハウや対応力について、評価をいただいていました」(千葉)。この長年かけて積み上げてきたコミュニケーションと信頼関係により、改めて提案を行う機会が得られ、プロジェクトに参画できるきっかけとなりました。

イメージ 「過去からの地道な活動が実を結んだ。『継続は力』を実感した」という千葉

「すべてはお客様のために」
創意工夫でデザイナーのイメージをカタチに

初期の提案から詳細な打ち合わせまで「当社のノウハウや実績を伝え、一つひとつニーズを満たしていくことで、信頼関係を築くことをミッションとして活動しました」(山本)。「そのことが施主様、ひいては来店するお客様の満足にもつながる、というのがメンバー共通の気持ちでした」(半井)。お客様の期待に応えたいという思いが大きなモチベーションとなっていました。
実際の過程では「デザイナーの方が抱くイメージを、どれだけ具体的に表現し提案できるかに、非常に苦心しました」(山本)というように、通常の図面だけのやり取りだけではなく、高い理想を叶えるため「考えられる工夫と努力はすべてトライしました」(メンバー一同)。例えば、山本は無印良品の旗艦店舗が数多くある中国に出張し、具体的なイメージが湧くまで視察を重ね、満足いただける内容にまで、デザインを具体化していきました。

イメージ 「中国の視察が非常に役に立った。行動におこす大切さを改めて知り、それを許可してくれた会社には、心から感謝しています」という山本
イメージ 「現場での急な対応を必要とすることも多くたいへんでしたが、お客様の要望を一つ一つクリアすることは喜びだった」と話す半井

発想力と根気強さで
フロアごとの異なるニーズに応える

「世界旗艦店」ということもあり、施主様はじめ各社からは、さまざまな要望や課題があげられました。
例えば、2Fフロアは、木の素材を活かした空間づくりがコンセプトにあり、デザイナーからは、過去に手掛けた空間デザインで、実績のある「木漏れ日天井」を、取り入れたいとの要望がありました。しかし、過去の「木漏れ日天井」の照明は白熱電球で、光の性質等が異なるLED照明の使用は、今回が初めてでした。これに対して弊社は、デザイナーのイメージする「木漏れ日天井」を再現すべく、ショールームでの実験と検証を、何度も何度も繰り返し行いました。「光の特性がまったく異なるので、(過去の実績を参考にするのではなく)ゼロベースでの発想が求められた」(山本)と語るように、作業は難航を極めました。
そして試行錯誤の結果「LED照明は、光が全方向に拡散する特性から、通常は反射板を用いて、その光の向きを制御することが多い。しかし今回は、あえて制御せず、光の広がりを、空間にうまく取り入れた」(千葉)など、売場を引き立てる、最適な照明計画が実現できました。

イメージ 「木漏れ日天井」のある2Fフロア

各フロアで、販売する商品カテゴリーだけでなく、担当デザイナーも、空間を構成する主な素材(木・鉄・土)も異なりました。ここでは、各フロアのレイアウトや構成する素材の配置等に併せて照明器具をゾーニングし、配光や光の強弱などを少しずつ変化させる検証作業を行いながら、それぞれのデザイナーのイメージに合った照明計画に近づけていくという「いつも以上に、緻密さと根気強さが要求される仕事」(山本)となりました。
その結果、例えば、1Fの食品売場では「陳列する商品に合せて、色温度を変化させることで、お客様が商品を手に取りたくなる空間」を、B1Fの「MUJI Diner」では「間接照明などをうまく配し、レンガの壁面が映え、お客様がくつろいで食事を楽しめる空間」を実現させました。

イメージ 素材が映えるように工夫された1Fフロア
イメージ ゆったりと、くつろげる空間を演出したB1Fフロア「MUJI Diner」

このような活動に対して、担当デザイナーからは「正直なところオープンまでに理想の空間ができるか不安だった。しかし、あらゆることに対して、迅速に、柔軟に、的確に対応してもらえたことで、安心感が増していった」と、高い評価をいただくことができました。

プロジェクト成功の源は垣根を越えたチームワーク

このプロジェクトを通じて、お客様の考える空間を実現し、一つひとつ信頼関係を築いていくこともできました。
「お客様の課題に向き合い、それを解決することの喜びを味わうことができました」。そう口をそろえるメンバーに、プロジェクトが上手くいったポイントをたずねると「社内外の垣根を越えたチームワーク」と迷わずこたえてくれました。

イメージ メンバーの思いが強力なチームワークとなり、さまざまな課題を解決していきました