大規模複合施設の搬出入における難題を解決

オフィスに商業店舗、レストランなどが入居する都心の超高層ビル。その建設現場では、多くの多種多様な建築資機材をいかに効率よく、安全に、低コストで搬出入するかが課題です。2017年4月に名古屋駅前に全面開業した地上46階建ての「JRゲートタワー」の建設では、150の商業店舗への資機材搬出入を当社がワンストップで対応、数々の難題を解決しました。

大規模複合施設の搬出入における難題を解決

独自システムの開発・導入と中継基地の確保によって
スムーズな搬出入とコスト削減を実現

2017年、愛知県名古屋市に開業した地上46階建ての「JRゲートタワー」。オフィス、テナント、レストラン、ホテルなどが入居しています。今回、当社が建築・内装資機材の搬出入を請負った商業施設「タカシマヤゲートタワーモール」は、地下1階から8階まで。店舗数はファッション、雑貨など150にも上ります。現場への資機材の搬入には、隣接する百貨店の一般駐車場を通る必要があり、作業ができるのも夜間のみという制約がありました。そのため、最も懸念されたのが、各施工業者が個別に資機材を搬入することで発生する渋滞と搬入の遅延です。そこで、(株)ジェイアール東海髙島屋様から、商業施設などの什器搬入で実績のある当社に、「施工業者の取りまとめと、搬出入の一元管理」をして欲しいというご依頼がありました。

山積みの課題の中、当社がまず取り組んだのが業者と現場の間に運搬の中継基地を設けること。次に「搬入予約WEBシステム」の開発・導入です。各施工業者に搬入希望日時や資機材の重量、サイズなどを入力してもらい、当社で調整したスケジュールに基づいて資機材を中継基地に搬入してもらうようにしました。その後、当社がトラックに混載して指定日時に現場に一括搬入することで、トラックの台数や荷受などにかかる人員を削減することができ、周辺道路の渋滞解消とコスト削減も実現しました。

本事例の資機材搬出入管理業務のフロー

本事例の資機材搬出入管理業務のフロー

「搬入予約WEBシステム」の現場搬入までの流れ

「搬入予約WEBシステム」の現場搬入までの流れ

特殊車両の導入やパレットの特注で
運搬効率を高め、資機材の傷防止や現場の養生にも万全の対策を実施

現場への搬入経路となった隣接ビルの立体駐車場において、通常のトラックでは天井がつかえて進入が難しいという課題もありました。そこで、トラックの仕様は車高の低い特殊な2t平ボディに限定。パレットもその荷台にぴったり収まるよう通常サイズより小さい特注品とすることで、スペース効率を上げ、少しでも多くの資機材を運べるように工夫しました。さらに、パレットに資機材を効率よく収めるための荷造りルール作成し、各施工業者に周知・徹底をお願いしました。

また、中継基地への資機材搬入時には、荷崩れや傷の有無などをチェックし、状態によっては傷防止対策を実施。現場の搬入導線ではフロアや壁を傷つけないようシートやコンパネで万全の養生を行うなど、当社が培ってきたノウハウをフルに活かしました。現場から出る廃棄物についても、廃棄物ヤードを設けて分別ルールを徹底しました。

半年間の工期中に要したトラックは延べ約3,800台。グループ会社であるコイズミ物流株式会社が持つ協力配送業者のネットワークが、この膨大な台数の確保を支えました。数々の課題解決には、経験豊富な社員が全国から集まり、アイデアを出し合う。社員とアルバイトを含め、延べ6,000人が搬出入や施工業者の管理にあたりました。

当社では、この業界初のビッグプロジェクトで得た多くの知見を、今後、同様の課題を抱えるお客様にお役立ていただこうと考えています。

搬入経路の高さ制限に対応(2t平車トラック)

搬入経路の高さ制限に対応(2t平車トラック)01
搬入経路の高さ制限に対応(2t平車トラック)02